高気圧酸素療法って知ってる!?


高気圧酸素療法という治療をご存知でしょうか?

何か潜水艦みたいな名前ですけど、どんなことをするのでしょうか?また、対象の疾患にはどのようなものがあるのでしょうか?

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1 高気圧酸素療法とは?
2 高気圧酸素療法の危険性について
3 治療の流れについて
4 治療対象となる疾患について
5 終わりに
高気圧酸素療法とは?

高気圧酸素療法とは密閉されたタンクの中 で、酸素の圧力を普段生活し ている状態の約10倍程に上げ、その中に入るという治療法です。

大気よりも逢かに高い気圧環境の中で酸素を吸ってもらうことによって、通常はほとんどが赤血球に引っ付いて全身に運ばれている酸素を血液の液体部分にも溶け込ませ、低酸素状態の治療を行ったり 、たくさんの酸素によって酸素が嫌いな菌を除菌する事が出来ます。

高気圧酸素療法の危険性について

高気圧酸素療法は有用な治療法ですが、通常と全く異なる環境を利用しての治療となるため、それに伴うリスクも存在します。

酸素には強い支燃性があり 、タンク内には熱を発する物はもちろん、燃えやすい物の持ち込みも不可となっています。着る物に関しても燃えにくいとされている綿100%で出来た専用着に着替えて頂いています。

また、急激な気圧の変化が起こるため気胸になったり 、鼓膜が破れたりすることもあります。

治療の流れについて

通常は、主に入院患者さんに対して治療を行っています。流れとしては、まず治療前に治療に関する説明、鼓膜が破れないようにするための耳抜きの説明と 練習を行います。

治療では、 最初に高気圧酸素療法専用着に着替えて頂きます。その後、臨床工学技士が持ち込み物や身につけている物などのチェックをし 、装置の中に寝ていただきす。そこから約1時間半ほど装置の中で過ごして頂きます。

また、治療の初めと最後は気圧が大きく変化するため耳が痛くなったりしま す。このときに耳抜きをして頂くと痛みが和らぎます。

もし、 耳抜きをしても 痛 みが取れない場合は、近くに臨床工学技士がお りますので無理をせずお知らせ下さい。気圧が 安定している間は、特に患者さんにして頂くことはありませんので眠つて頂いても結構です。

治療対象となる疾患について

治療対象となる疾患については、以下のものが あります

一酸化炭素中毒
一部の感染症
急性の末梢血管障害
難治性潰瘍
脳梗塞
低酸素脳症
腸閉塞
突発性難聴
骨髄炎
放射線障害
その他
高気圧酸素療法は酸素を用いた治療のため、治療対象は基本的に低酸素の改善に対するものになります。

また、酸素を体中に行き渡らせることで傷や炎症などの治りを早くする効果もあるため、感染症や難治性潰瘍でも使用されています。

終わりに

高気圧酸素療法は危ないというイメージがあるかもしれませんが、正しく行えば非常に有用な治療法です。