口内ケア

平成24年度から、周術期回腔機能管理が新たに保険適用となりました。

がん治療に伴う口腔のトラブルの予防と軽減を図り、安全で質の高いがん治療を円滑に進めていくためにも、がん治療の前から口腔内の環境を良好にしておくことが大切です。

義歯や歯のつめものが不調で「かみ合わせが悪い」、「痛い」という状態だと、食事が困難になります。しっかり栄養が摂れないと、がん治療にも支障が出ます。そこで今回は、治療前にしておきたい口腔ケアについてお話したいと思います。

Contents [非表示]

1 口腔ケアの重要性について
1.1 セルフケアは歯磨きが重要
1.2 歯ブラシの当て方について
1.3 舌のケアについて
1.4 義歯のケアについて
2 終わりに
口腔ケアの重要性について

がん患者だからと言って何も特別なケアの方法があるわけでは有りません。ケアのポイントとしては、以下の3点が挙げられます。

口腔内のチェック
クリーニング(クリーニングとは、歯や義歯についた細菌を除去することです。歯や義歯を磨いて、細菌がつきにくく、除去しやすい状態にします)
セルフケアの指導を受ける(がん治療中の歯や歯肉、口腔粘膜、義歯のケア方法を指導してもらいます)
セルフケアは歯磨きが重要

セルフケアにおいて最も重要なのがなんと言っても歯磨きです。そこで、まずは歯ブラシの使い方について述べます。

まず、力を入れすぎないように、持ち方は鉛筆をもつ時のベンクリップをお勧めします。

ブラッシングに際しては1歯ずつ、 小刻みに動かしましょう 。硬さは、硬すぎず、ヘッドが小さいものを使いましょう 。交換時期ですが、毛先が開いてしまう前に交換するのがポイントです。

歯ブラシの当て方について

次にブラシの当て方についてですが、

前歯や奥歯の外側は 、歯ブラシの毛先を歯と直角にあてます。
奥歯のかみ合わせ面では 、歯のくぼ みに毛先を水平にあてます。
歯と歯肉の境目や奥歯の内側は、毛先を斜め45度にあてます。
前歯の裏側は、歯ブラシ縦にあて、歯ブラシのかかとを使って縦方向に 動かします。コツはカを入れすぎず、痛くない程度に小刻みに振動さ せ、1本の歯の全ての面を、1~2本づつ 、細かくみがくことです。歯ブラシの角度を変えて 、いろいろな歯の面にきちんと毛先が当たるように 工夫することも効果的です。
また、磨く順番を決めて、一巡するように磨くと磨き残しが防げます。
歯と歯の間を磨く際には、デンタルフロスを用いて、隙間の両側の歯の側面を上下にこするように掃除します。 フロスは指に巻きつけてピンと張り、上下に数回ゆっくり動かして下さい 。
舌のケアについて

舌のケアについてお話します。舌の表面には、多くの細菌が付着しています。舌のブラッシングは、細菌数を減らし、口臭の予防効果があります。専用の舌ブラシや超軟毛の歯ブラシを使用して軽い力で磨いて下さい。

義歯のケアについて

最後に義歯のケアについてですが 、義歯用歯ブラシや歯ブラシで、義歯を外して磨きましょう 。特に義歯が接触する粘膜面の汚れは炎症の原因になりますので、よく磨きましょう。

義歯のバネの部分もよく磨きましょう 。目で見えない汚れは、義歯洗浄剤で除菌しましょう 。

もし 、バネが変形したり、義歯が入りにくくなっ た場合は、 自分で調整せずに歯科医に診てもらってください。

終わりに

口腔ケアについて説明つさせていただきました。文字だけでは中々伝わりにくいと思いますが、 ご不明な点は、歯科医や歯科衛生士にお尋ねください。